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【線条体出血】を図解で勉強した

              

線条体出血は高血圧によって引き起こされる脳内出血のうち、もっとも影響を受ける部位とされています。

この領域は、穿通枝動脈のHeubner反回動脈、前大脳動脈からの内側レンズ核線条体動脈、内頸動脈からの前脈絡総動脈、中大脳動脈からの外側レンズ核線条体動脈を含む様々な動脈によって供給されています。

線条体領域(尾状核・被殻・淡蒼球・内包)での出血は、出血した動脈に応じて、血腫の大きさや広がり方、場所、方向、範囲によって臨床症状が異なると予想されます。

さまざまな症状を呈する疾患ですので、タイプ別に検討されている論文が参考になります。線条体出血

今回は線条体出血についての論文から勉強した事をまとめていきたいと思います。

【線条体出血】を図解で勉強した

被殻出血や基底核出血など線条体領域または線条体内包領域の出血を総称してまとめられていることもあります。

脳の深部を血流を供給する穿通枝動脈は

  1. レンズ核線条体動脈(LSA)
  2. Heubner反回動脈
  3. 前脈絡総動脈(AchA)
  4. 髄質動脈(MA)

の4つが挙げられます。

線条体としてひとくくりにされている領域ですが異なる動脈から血液供給されています。

動脈領域から機能的に個別の領域を分類・定義することを試みた結果、線条体出血は6つのタイプに分けることができたとしています。

線条体領域の供給血管である穿通枝動脈の走行を調べる

タイプ別領域の供給血管を調べてみます。

1.前型

Heubner反回動脈は前大脳動脈から穿通枝として分岐し、尾状核頭部の前半、被殻の前1/3、淡蒼球内側部、内包膝部、内包前脚の前下方などの主に基底核の前腹側を灌流する。

内側のレンズ核線条体動脈からは、尾状核頭部、内包前脚の一部、後脚の前下部、被殻の内側、淡蒼球の後方を灌流する。

Heubner反回動脈・内側レンズ核線条体動脈が関与する出血により、尾状核頭および体部に血腫が及び、いわゆる”尾状核出血”と呼ばれる事がある。

尾状核は側脳室の壁を形成するため、この領域で発生する血腫は常に脳室穿破と髄膜刺激症状を引き起こす。(くも膜下出血様)

このタイプは優れた回復を示し、運動障害を始めとした症状は軽度または消失しやすいとされる。

2.中間型

内側レンズ核線条体動脈の内側枝群は尾状核へ灌流外側枝群は被殻前方へ主に貫流している。

内側のレンズ核線条体動脈が関与する出血により淡蒼球と内側被殻に血腫が及び様々な症状を引き起こす。

片麻痺と共同偏視を引き起こす事が多い。

血腫の大きさによっては言語障害を引き起こす事がある。

このタイプの予後は通常であり、予後は割と優れている。

3.後内側型

前脈絡叢動脈は、内頸動脈の最終分枝として後交通動脈分岐後より抹消から分岐する。

上行し前有孔質を穿通して内包、基底核群を灌流する。内包膝部や淡蒼球内節、内包後脚などを灌流する。

前脈絡叢動脈が関与する出血により、内包後脚の前部に損傷が及ぶいわゆる”内包出血”と呼ばれる事がある。

基底核部や内包の上半分は主に中大脳動脈のレンズ核線条体動脈による。

基底核部や内包の下半分は、前方は前大脳動脈の分枝、後方は前脈絡叢動脈により灌流されている。

内包膜繊維に沿って上行する血腫はラクナ症候群に近い領域を損傷します。

臨床症状は、純粋な運動性または感覚運動性片麻痺を呈する事が多いとされています。

4.後外側型

外側レンズ核線条体動脈の後内側枝は、主に被殻の後部に血腫の影響を及ぼします。

損傷半球によって、言語障害や無視などを伴った片麻痺を呈することが多いとされています。

5.外側型

外側レンズ核線条体動脈の外側枝は、主に外包と島皮質の間に楕円形またはレンズ形状の血腫を作ります。

血腫は側脳室の前角のもっとも外側の枝を通って脳室穿破し、被殻には直接影響を与えませんが被殻の中央部を圧迫することで影響します。

血腫の大きさや脳室穿破を伴って発症すると予後が悪い場合が多いとされています。

6.巨大型

血腫が大きすぎて出血源を同定できない。(まれに内包前脚と尾状核免れる)

意識障害、言語障害、無視など全てに合併。

眼球運動障害は半数にみられる。

運動麻痺重度であり予後不良。

まとめ

線条体出血における予後は6つの関連領域を灌流する動脈の解剖学的タイプと関連している。

血腫の大きさと隣接領域への広がりによって予後が変わる。

内包損傷をまぬがれる場合の経過は良好。

cing-sang Chung,striatocapsular haemorrage,Brain(2000),123,1850-1862

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