ノート

集団レクで狙うこと

              

院内併設のデイケアや出前講座などで集団レクや集団リハビリを依頼されることがあります。

もともと個別対応で一対一の関係を得意とする人にとっては人前で司会・進行していくことは大変です。

今回は集団レクを進めるときに気をつかっている事をまとめていきます。

レクの構成や運用など企画全体を把握できてくると集団レクが効果的に進められると思います。

集団ならではの効果

集団ならではの効果を考えてみます。

  1. 年齢や病状など体調が似た者同士が集まることで私だけではないという安心感が生まれると思います。
  2. 自宅では1人で気ままに時間を過ごすのも良いですが、「自分1人だからいいや」と生活が雑になってしまうこともあります。外へ出ることを面倒くさがらずに楽しむことは社会性を維持するために重要です。
  3. たくさんの集まりの中での交流は気を遣うこともあると思いますが助けたり・助けられたりの関係によって自分への自信につながると思います。
  4. 自宅から外へ出た世間の情報を知ることができたり、体調が悪い時の相談など悩みを解決できる環境があるということが大切だと思います。

「もう歳だからどうだっていい・・・」

何事もやる気が起きなくなってきてしまうことが認知機能を低下させてしまいます。

身支度など外に出ることはエネルギーを使います。

こうして集まってきてくれている方達へのサービス提供とは、自宅では体験できないことをして過ごしてもらうということだと思います。

レクリエーションの内容

頭を使う

イキイキと生活している人は毎日の生活管理が行き届いており、スケジュール管理ができていると思います。

スケジュール管理の第一歩は見当識の確認からだと思います。

今日の日付や出来事を共有することは集団でのコミュニケーションの土台となるものだと思います。

体を使う

集団での会話など見たり・聞いたりするだけではなく触ったり・動かしたりして頭と体を使うということも重要です。

できるという体験は体を動かす自信にもつながります。

外に出てみよう。

〜やってみようというモチベーションにつながります。

情動も伴う

パーソンセンタードの考え方

認知症の集団レクを考えると認知機能を改善させたいという意識が働いてしまいます。

認知機能の改善のための機能訓練のように計算や記憶などの課題を行うことでできないことを実感してしまいます。

こうして自信喪失してしまうとかえって萎縮してしまうことも考えられます。

集団レクの目的は参加者の活気をあげることだと思います。

認知機能の低下を加速させる要因である

引きこもり

やる気の低下

というリスクを回避することで認知機能を維持していくという意識を持つことが重要だと考えます。

出来ないことをできるようにするからできることを楽しんでいくスタイルでレクを進めていきたいものです。

さまざまな感覚に働きかける

レクの内容は

  • 体操
  • 工作
  • 調理
  • 収穫作業

などたくさんの感覚を刺激します。

参加者の好みに合わせた企画で楽しんでもらいたいものです。

回想を重視する

参加者の昔の出来事を回想することは記憶を刺激して現在と昔の時代の流れを再確認することができます。

また、スタッフとしても参加者の背景情報を知ることができ考え方や信念などの個性を把握することができます。

集団としていろいろな人のものの見方や考え方を共有し認め合うことが重要とされています。

参加者の能力を発揮させる

参加者に質問したり答えを求めるアプローチをすると間違えたときに自信をなくしてしまいます。

参加者それぞれの個性に合わせた会話となるよう回答を求めていく姿勢で会を進行します。(テストのような回答を求めない)

参加者がリラックスして参加できるよう心がけたり、参加者が主体的に取り組めるような企画で楽しんでもらいたいものです。

レク運用の構成

レクの運用はおおまかに

  1. 開始
  2. 内容
  3. 終了

と3構成として考えます。

開始のセッションでは準備運動を含めた開始のあいさつや見当識の確認などを行います。(10-15分)

内容のセッションでは集団レクの企画を参加者にあわせて実施します。(30-45分)

1企画15分程度の内容を組み合わせて2−3企画の構成となるように企画はコツコツとためていった方が良いと思います。

終了のセッションでは見当識の確認と本日のレク内容のおさらいをします。(5-10分)

集団活動を実践した成果や運動効果を再認識することで達成感や効力感を得ることにつながります。

スタッフは参加者の反応や個別性などフィードバックして次回につなげるよう企画を修正していきます。

連想ゲーム

実際の企画はたくさんの本などでも提案されています。

自分でも面白そうだなと思うものを実践しながら修正していく。

企画だけではなくスタッフの進行スキルで同じ企画でも参加者をグッと引きこめたりするので経験が大事だと実感しています。

 

-ノート

Copyright© たもつブログ , 2023 All Rights Reserved.