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おさえておきたい下行運動路7つ

              

運動神経は脳から目的とする筋肉につながり、目的とする運動が行われています。

運動指令は、脳から筋へ下行して伝わるため、下行路遠心路とも呼ばれています。

骨格筋を制御する中枢神経系ですが、下行運動路は一つではありません。

制御する運動情報によって7種類に分けられます。

主な下行運動路は7種類あり、直接路と間接路に分けることができます。

  1. 直接路:大脳皮質から運動ニューロンにつながる下行路(3種類)
  2. 間接路:脳幹から運動ニューロンにつながる下行路(4種類)

間接路は大脳皮質から脳幹に終わる経路が脳幹を起源とする下行路に経由して、間接的に大脳皮質から運動ニューロンまで情報伝達されています。

なやみ
運動系経路についてまとめたい
大脳皮質と脳幹から下行する運動系経路に分けて概観が示されている文献があります。
たもつ

今回は、運動障害を引き起こす下行運動路について考えていきたいと思います。

 

おさえておきたい下行運動路7つ

骨格筋の運動を制御しているのは

  1. 運動系経路
  2. 小脳系経路
  3. 基底核系経路
  4. 脊髄運動系

とされています。

  1. 運動系経路について考えていきたいと思います。

大脳皮質から運動ニューロンに終わるもの

  1. 外側皮質脊髄路・・・一次運動野(4野)から出て、錐体交差し四肢の遠位筋を支配
  2. 前皮質脊髄路・・・前運動野(6野)から出て、非交差性に下行して体幹・四肢近位筋を支配
  3. 皮質橋延髄路・・・4野6野から出て、脳幹で脳神経の核に接合

脳幹から運動ニューロンに終わるもの

  1. 赤核脊髄路・・・中脳被蓋の赤核から出て交叉して反対側の脊髄を下行、四肢の随意的な運動に関与
  2. 網様体脊髄路・・・橋と延髄の網様体から出て四肢近位筋の運動と歩行に関与
  3. 視蓋脊髄路・・・中脳上丘から出て交叉し反対側の脊髄を下行、視覚情報と眼球運動に合わせた頸部の動き、傍脊柱筋を制御
  4. 前庭脊髄路・・・前庭神経核から出て同側の脊髄を下行、四肢伸筋群を支配してバランスを保ち、抗重力作用を担う
前皮質脊髄路、網様体脊髄路、視蓋脊髄路、前庭脊髄路は姿勢制御にかかわる基本的な下行路とされている
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脳幹を起源とする下行路も大脳皮質からの下行入力を受ける

  1. 皮質赤核脊髄路(前頭葉からの入力を受ける)
  2. 皮質網様体路(前頭葉からの入力を受ける)
  3. 視蓋脊髄路
  4. 前庭脊髄路(頭頂葉からの入力を受ける)

まとめ

大脳皮質から直接運動ニューロンに終わる下行路3種類。

脳幹から運動ニューロンに終わる下行路4種類。

脳幹を起源とする下行路も大脳皮質からの指令を受けていると考えられています。

金彪 姿勢と運動の神経機能解剖 脊椎脊髄 32(4):254-258. 2019

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