認知症の予防や進行を遅らせる取り組みは高齢者を対象としている病院や施設などで実践されています。
おもに運動や作業など体と頭を使うことで認知機能を活性化しようとする狙いがあると思います。
いざ自分が認知症の集団体操について取り組もうとした場合

といったふうに悩むこともあると思います。
今回は認知症の集団体操を行う際に考えておきたいことをまとめ、認知症についての捉え方と実践方法について勉強していきます。
目次
認知症とは
認知症で問題となることは自立した生活が困難になる事が挙げられます。
認知症の人には、症状によって困難になっている日常生活をサポートする必要があります。
認知症の症状とは認知機能障害、行動・心理症状、神経症状があります。
認知機能障害
認知機能障害として物忘れがあります。
ご飯を食べた事自体を忘れてしまう生活の中の出来事(体験)そのものを忘れてしまう。忘れたことを自覚しないことが多く、付き添いや介護サポートが必要になります。
行動・心理症状(BPSD)
行動・心理症状(BPSD)として不安があります。
いつも誰かがいないと不安で探し回る夕方など家族が居ないと不安でソワソワして探し回ったり、電話してくれなど訴えかけることがあり落ち着きがなくなってしまうためサポートが必要になります。
神経症状
神経症状として失禁があります。
おしっこや大便などの排泄コントロールができなくなる失禁や失敗して服やシーツなどを汚してしまうことがあり介護サービスや家族のサポートが必要になります。
認知症の原因疾患
認知症は原因疾患によって認知症状が現れます、その症状が日常生活に支障をおよぼしていきます。
- アルツハイマー病:物忘れが特徴、次いで見当識障害がみられ時間と場所の混乱を生じます
- 脳血管性認知症:脳卒中に合併しやすく物忘れは良かったり悪かったりと「まだら」にあらわれます。
- レビー小体型認知症:動物や虫などが見えるという幻視や体が固くなるといったパーキンソニズムが特徴です。
- 前頭側頭葉変性症:自分の好きにするといった、自分本位な行動が目立ちます。
- 特発性正常圧水頭症(iNPH):物忘れ・尿失禁・歩行障害の特徴的な3徴候があります。
修正可能な認知症の危険因子
高齢になればなるほど認知機能は低下するので認知症のリスクは高まってしまいます。
一方、年齢以外で認知症のリスクとなる危険因子を改善させることで予防や発症を遅らせることができると考えられています。
運動すること
運動すること(身体活動)は、血圧・血糖・体重を下げる働きがあります。
集団で運動すること作業活動することはうつ状態を避け、社会参加を促します。
運動することで認知症の危険因子はコントロールできる可能性があります。
- 知的要素(ゲーム)
- 身体的要素(運動)
- 社会的要素(集団活動)
認知症予防プログラムを考えていくときに”3つの要素”を取り入れながら認知症の集団体操を企画していくのがよさそうです。
脳活性化リハビリテーション5原則
認知症の人の対応で心得ておきたいのが”脳活性化リハビリテーション”の5原則です。
すぐ忘れてしまう人と一緒に何かを行おうとしても手がかかるのは当たり前です。
集団から離脱してしまいやすいのも当たり前です。
失敗しないようにサポートし、各個人の役割を達成できるようサポートし、一緒にできることの達成感をみんなで共有する。
みんなで褒め合うことができれば認知症予防プログラムとしては成功しているのではないかと考えます。
コグニサイズ
コグニサイズとは国立長寿医療研究センターが開発した認知症予防プログラムです。
運動と認知課題を組み合わせて体と脳の活動を活発にすることを目的としています。
集団レクや集団体操で意識していることは以前の記事でも考えています。
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集団レクで狙うこと
院内併設のデイケアや出前講座などで集団レクや集団リハビリを依頼されることがあります。 もともと個別対応で一対一の関係を得意とする人 ...
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まとめ
- 認知症は脳の働きの低下によって、自立した日常生活を送ることが困難になった状態をあらわす言葉
- 認知症の原因となる疾患によって脳の働きが低下し、物忘れなどの症状が現れる
- 認知症の症状は認知機能障害、行動・心理症状(BPSD)、神経症状
- 認知症の危険因子は修正可能なものがある
- 認知症の人と接するときは脳活性化リハビリテーションの5原則を守る
- 認知症予防プログラムの一つにコグニサイズがある