床ずれ(褥瘡)は皮膚の細胞が死んでしまって炎症を起こし発赤や水疱ができてしまう状態です。
寝たきりで床ずれが発生しやすいことはよく知られています。
床ずれ予防にはベットで寝ている姿勢を工夫するポジショニングが介護技術としてあげられます。
しかし、床ずれの発生原因は様々でどのようにポジショニングを行ったら良いか悩むところです。
今回は細胞への循環障害が床ずれを引き起こす点について、ポジショニングの目的と床ずれ予防のポイントを勉強していきます。
床ずれ予防のポイント
体格や病状などによってむくみ・拘縮があり、人それぞれ寝ている姿勢は違います。
ポイントは楽な姿勢で寝てもらうということです。
リラックスしているか?
寝ている姿勢が休まらないと疲れがとれません、全身がリラックスできていないと筋肉の緊張したままの状態が続くことになります。
筋肉が緊張していると良くないこと
- 血流が妨げられる
- 筋肉が固まっってしまう
が挙げられます。
体の細胞は毛細血管から栄養が補給され維持されています。
毛細血管は筋肉の間をとおって細胞に栄養補給しています。
筋肉が緊張していると筋が収縮しているので間をとおる毛細血管のスペースが狭くなります。
血管のとおりが悪くなるので血流も悪くなり栄養補給も悪くなることにつながります。
また、関節を動かすのが筋肉なので筋収縮したままでは関節が固定されて固まってしまうおそれもあります。
床ずれが出来やすい人とは
床ずれが発生しやすい要因は
- 高齢であること
- 寝返りができない
が挙げられます。
歳をとればとるほど病気をしやすくなりたくさんの病気を病気をあわせもつ事になります。
持病がたくさんあると体力が落ちやすく血液循環・筋肉量・代謝量・栄養状態などが影響して細胞自体もともと元気がない状態になってしまいます。
細胞が弱いと栄養供給が無くなった時にすぐ死滅してしまい、床ずれ発生につながってしまうようです。
栄養供給がなくなる状態が局所の皮膚組織への持続的圧迫という状態です。
細胞に栄養供給している毛細血管が圧迫され血流が悪くなると細胞に栄養補給できなくなります。
床ずれは皮膚細胞がもろい状態に圧迫される環境が加わると発生してしまいます。
まとめると
- 細胞が弱っている状態の人が
- 局所を持続的に圧迫される状態が続いた時
この2つの要因が重なったときに床ずれが発生してしまうようです。
床ずれが発生しやすい場所は
局所の持続的圧迫によって床ずれは発生します。
局所の圧迫を受けやすい体の場所とは、骨のあたる部分です。
体の表面から骨が見てわかる場所(骨突出部)で圧迫を受けやすいです。
ベットマットと骨との間で皮膚組織が圧迫を受けて血流が悪くなってしまいます。
栄養と血流障害
栄養は体格に影響するので痩せていては骨が皮膚を圧迫しやすくなってしまいます。
もともとの持病は体の炎症を引き起こしやすいので生きていくために必要なエネルギーは多くなります。
しっかりと栄養を摂っていないとエネルギーが足りない時に筋肉や脂肪を分解して生きるためのエネルギーを補給しようとするのでさらに痩せてしまいます。
栄養と体格は血流障害につながります。
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痩せると圧迫を受けやすく血流障害を起こしやすい
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しっかりと栄養をとって体力をつけておかないと細胞自体に元気がなく血流障害で死滅しやすい
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生きるためのエネルギー補給のためにも、栄養を十分に摂取していないと痩せてしまう
ベットアップの手順
ポジショニングのポイントとしてベットアップの手順をまとめました。
ベットアップは食事や整容動作で使用しますがテレビを見て過ごす余暇の時間などにも使われると思います。
日中の多くの時間を過ごすことにつながるベットアップ姿勢について、より圧迫を減らすようにポジショニングを実践したいものです。
ベットで寝ている姿勢でも体位交換後のポジショニングで大切なことは、リラックスした姿勢になるよう体交枕をあてて工夫することです。
ポジショニング後には圧抜きをして皮膚にかかる応力を無くしてあげることも重要です。
ポジショニングに原則はあっても人それぞれの良肢位・安楽肢位は違います。
リラックスした姿勢を試してみて、2時間後に皮膚の発赤があるかどうかなどチェックする。
必要ならポジショニングを修正するなど、試してみてチェックするという作業を繰り返して利用者さんに最適な姿勢を提供していくことが重要だと考えています。