Wallenberg症候群は延髄外側症候群とも呼ばれるように延髄の外側を主な病変部位とします。
主な症状はめまい、嚥下障害、ホルネル症候群(発汗消失•眼瞼下垂•縮瞳)、失調、感覚障害が挙げられます。
感覚障害は顔面と四肢とで交代する温痛覚障害や触覚などの深部感覚は保たれている感覚解離が起こります。
これらの複雑な症状を覚えることは大変ですが延髄を通る神経線維がイメージできると病変と症状が繋がると思います。
今回は自分で勉強してみてポイントになると思った点についてまとめていきたいと思います。
延髄を通る線維
Wallenberg症候群は延髄外側梗塞に多く、椎骨動脈と後下小脳動脈に好発する。
延髄は頭側ー尾側に神経線維の走行を変え腹側ー背側にも神経線維の配置が変わるので病変の部位で症状が変わる。
- 延髄尾側では外側病変が多く、四肢の感覚障害が出現しやすい
- 延髄頭側では腹側病変が多く、顔面の感覚障害が出現しやすい
延髄を通る線維でおさえておきたい経路5つ
- 前庭神経路
- 三叉神経路
- 迷走神経(疑核)
- 脊髄小脳路
- 脊髄視床路
三叉神経路は三叉神経脊髄路と三叉神経視床路(延髄で交叉して反対側を上行)とに分かれます。
三叉神経路はいったん下行して交叉した後上行して視床に向かう経路をとります。
脊髄視床路は内側からCTLSと配列し内側病変では上肢が、外側病変では下肢が感覚障害を受けやすいです。
延髄を通る線維2
- 感覚障害は三叉神経路と脊髄視床路
- 失調症状は脊髄小脳路と後索路
- めまいは前庭神経路
- 嚥下障害・嗄声・ホルネル症候は舌咽・迷走神経(疑核)・交感神経路
Lateropulsion
脊髄小脳路や前庭脊髄路が障害されるとlateropulsionを呈することがあります。
麻痺則へ体軸が傾斜する現象として知られています。
体性感覚と前庭からの姿勢調整メカニズムの異常と考えられています。
まとめ
延髄病変と臨床症状を理解するために神経経路のポイントをまとめました。
延髄は頭側ー尾側、背側ー腹側、内側ー外側と多方向からイメージすることが重要だと感じました。