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日常生活を取り戻すために考えたいこと

              
たもつ
リハビリが始まると、歩けるようになりたいと目標を持つ患者さんが多いと感じています

患者さんにとって入院することはまれで初めての経験であることも多く、入院生活は不安がともなうものと思っています。

どうやって元の生活に戻れるんだろう、この先どうなってしまうんだろうと考えている時に、リハビリの目標は何ですか?と聞かれても質問の意図がわかりません。

自分でもそのような状況下では、歩けるようになりたいと答えると思います。

リハビリは患者さん本人が運動してもらうことで積み上げていった経験が成果となり、できなかった運動や動作が出来るようになるプロセスだと思います。

一体この運動は何のためだろう、この運動をしたら何が出来るようになるんだろう、と疑問に思うこともあると思います。

ですので、目的を持って運動に取り組んだ方がリハビリにも身が入り、頑張ろうという意欲につながりやすいと考えています。

今回は日常生活を取り戻すためのリハビリを進めていく中で、リハビリの目標を共有するために考えておきたいポイントをまとめていきたいと思います。

 

日常生活を取り戻すために考えたいこと

病気やケガでひとたび入院してしまうと治療が始まります。

治療は管理された状態で行うので病床から生活が始まることとなり、ベット周りが日常生活のはじまりとなります。

ベット周りの活動範囲から日常生活の再獲得へ向けてリハビリを進めていく時、どの動作から獲得していくのが効率的か、優先順位という視点が必要となってくると思います。

メモ

日常生活動作 ADL(activities of daily living)とは、皆が共通して毎日繰り返される 食事・整容・更衣・排泄・入浴・移動など、生活を営む上で必要な基本的な行為・動作の事です。

日常生活の自立度としては、FIM(functional independence measure)やBI(barthel index)といったADLの指標があります。

ケガや病気などで入院すると障害の程度によりますが、入院前の生活を営むことが難しくなりADLの指標は下がってしまう場合が多いです。

 

日常生活動作の優先順位を考える

 

人が生きていくために必要な日常生活動作を考えていくと、目的の動作が出来るようになる優先順位が決められやすくなるかもしれません。

例えば、生きていくためには食べることが必要です。食事動作によって生命維持に必要なエネルギーを確保しています。

生命維持に必要な食事

生命を維持するためには体内に栄養を取り込まなくてはなりません。

そのためにも食べる事・栄養摂取を考えていくことは重要だと思っています。

日常生活動作としての食べること、食事動作に必要な姿勢は座ることです。座るまでに必要な動作とは、寝返りや起き上がりです。

ベットから食事をするまでに必要な姿勢・動作を獲得していくことは、日常生活を取り戻していくために必要な過程となっていきます。

プライベートに関わるトイレ

入院してからリハビリが始まると、歩けるようになりたいという要望が多いと思います。

しかし、その言葉の中には歩いてトイレに行って用を足せるようになりたいという気持ちが含まれていると考えます。

排泄は生きていくために必要な生理現象でありますが、個人のプライベートな部分であり他人の手を借りることに関して恥ずかしい気持ちが伴いやすいです。

人の手を借りないで、トイレ動作を自立したいという思いが含まれているのではないでしょうか?

まずはトイレ動作獲得に向き合う視点も必要で、この過程が歩行獲得にもつながっている。

長期目標や短期目標など、患者さんと目的を共有するやりとりも必要だと考えます。

歩行にとらわれないで

ベット周りからはじまる生活動作を考えてみると、歩くことは一番必要なことでしょうか?

歩くまでには寝返り・起き上がり・座位・立ち上がり・立位の基本動作が必要です。

これら基本動作は、毎日繰り返される食事や排泄に関わる動作も含まれます。

ベットから起きて腰かけて過ごす時間、立ち上がって車いすに乗り移り入浴や検査などに行く時間も同じです。

入院生活で歩くことよりも頻回に行われる動作から獲得していく視点が、効率よく日常生活を取り戻すために必要な考え方だと思っています。

歩きたい要望はもちろんですが、歩くリハビリ以外の時間をベットで寝ていたのでは寝たきり生活とほぼ変わりません。

歩く時間を意識する事よりもベットから起きている時間を意識した方が、1日の総活動量は多くなると思います。

 

入院生活について

けがや病気の発症によって入院生活が始まると、急性期・回復期・維持(慢性)期と各病期ごとに治療が違ってきます。

急性期では治療が優先となり、日常生活は安静を保つようコントロールされたりします。

一方、回復期・維持期では機能回復や機能維持のための運動を行いますが、機能回復目的と機能維持目的の運動でリハビリ内容にも違いがでてきます。

各病気ごとにリハビリの内容も違ってくるので、日常生活にも安静や回復や維持といったリハビリの目的も変わってきます。

 

日常生活動作を取り戻すためのポイント

  • 歩きたいという目標を心得ながら、現状の病期に合わせたリハビリ内容と、目的とする日常生活活動の獲得を患者さんと一緒に目標共有しリハビリに取り組む。
  • 優先順位を意識して食事動作の獲得を目指す、そのあと排泄動作獲得を目標とするなど、患者さんの生活の広がりをイメージしながら関わっていく視点を持つ。

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